【全部乗せ】クールダウンの隙間に

ロッカーの中で、彼女は静かに時を待つ。 乾ききらない汗と、食い込む拘束が熱を深く伝えてくる。 逃げない。ただ耐える。それが“仕込み”という名の儀式。 動けぬ身体が、じわじわと熱を孕み、 呼吸だけが、自分がまだ在ることを教えてくれる。 「……ぅ……んっ……」 声にならない震えが、喉の奥で弾ける。 限界と快楽の狭間で、心もまた静かにほどけていく。 そして、鍵が外される音。 それは報酬でも赦しでもない。 奉仕のあとに訪れる、ただの愛情。 優しく、深く、彼女を包むもの。 今夜もまた、祓いは静かに、甘く終わりを迎える。

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