【本編】そのままの姿で
「もう、こないでって……言ったのに……」 その日、友人に頼まれて立った喫茶店のカウンター。 視線を逸らしながら、彼女は笑った。けれどその笑みは、羞恥の色に沈んでいた。 オレンジ色のエプロン。ミニスカート。 ふだんの彼女にはない色彩とかたち――それは、誰かに見られるための姿。 「……なんで来たのよ、もう……」 答えはなかった。ただ彼は、じっと彼女を見ていた。 その視線が、まるでこの後を静かに決定していたかのように。 * 帰宅した夜。 彼女は、何ひとつ脱がずに、彼の前に立っていた。 オレンジのエプロン、短すぎるスカート。 その奥に隠された黒のレースが、室内灯にかすかに浮かび上がる。 「これで、いい……の?」 手首は後ろで束ねられ、肌に馴染む柔らかな革が沈黙の輪を口元に添える。 唇に沈黙を課す球体が、そっと嵌められた瞬間、 彼女の身体は音を失った。 「……んっ、んぅっ……」 くぐもった声が喉の奥で震える。 眼差しを伏せたまま、彼女はただ彼だけの器へと還っていく。 「ん……っ、ふ、ぅん……」 愛撫のように静かな導き。 ミニスカートの裾が、わずかに揺れるたび、 背後で束ねられた手がきしむ。 それは抗いではなく、彼に縋るような細波。 独占にも似た愛が、ただ一心に注がれてゆく。 彼の熱が触れるたび、彼女の奥に、ひとつずつ灯がともる。 くぐもる声は、もう戸惑いではなかった。 それは甘やかな肯定―― 恥じらいの中で咲いた、静かで深い服従の愛。
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