涼宮ハルヒと一晩中 4
第4章「甘やかな吐息、夜の奥で」 部屋の灯りは落とされ、月明かりだけが静かにふたりを照らしていた。 俺とハルヒは、布団の上で寄り添っていた。 彼女の浴衣は肩から落ちかけていて、片方の胸元はほとんどはだけている。 その柔らかな膨らみが、呼吸に合わせて上下していた。 「……見すぎ。変態」 そう言いながらも、ハルヒは笑っていた。 その笑顔には、恥ずかしさと甘え、そしてほんの少しの期待が混じっていた。 頬はうっすらと朱に染まり、細く上がった吐息が、俺の耳をくすぐるように響いていた。 「さっきから……その、ずっと触れてるじゃない。じゃあ……次は、口にしてみて」 ハルヒは、顔を赤くしながらも胸を差し出すように身を倒した。 白く柔らかな肌が月光に照らされ、まるで光を宿したようにきらめいて見える。 「ほんとに……こんなこと、あたし……誰にもさせたことないのに……」 その言葉が、甘く震えていた。 彼女の声が胸の奥まで響き、理性の壁をじわじわと溶かしていく。 そっと顔を近づけ、彼女の胸に口づける。 唇が触れた瞬間、ハルヒの身体が小さく震えた。 「っん……ふぅ……っ……そんな、やさしく……ん、もっと……」 吐息まじりの声が漏れる。 彼女の手が俺の髪にそっと添えられ、逃さないように押さえられた。 唇を当てたまま、舌でそっと円を描くように撫でると、ハルヒの身体が反応し、背中がわずかに跳ねた。 「んっ……んん……やば……変になりそう……っ……ふぅ、あぁ……」 彼女の手が俺の背中を這い、ぎゅっと強く抱きしめてきた。 その指先は震えていて、触れた肌の熱が、より敏感に伝わってくる。 「……ね、あのさ。変なこと、言ってもいい?」 ハルヒの声はかすかに震えていた。 俺は顔を上げて、その瞳を見る。 「……あたしね、昔……“授乳ごっこ”って、ちょっと憧れてたんだよね。なんか……甘えられるっていうか、自分の全部を預けられる感じで……バカみたいでしょ?」 その言葉に驚きながらも、否定なんてする気にはならなかった。 今の彼女は、団長でも、変人でもなくて……ただ、心を開いた女の子だった。 「だったら……いいよ。あたしの胸、好きにして……ちゃんと、甘やかしてあげるから」 その一言は、あまりにも破壊的だった。 俺は再び彼女の胸に顔を埋めた。 唇を吸い付けるように密着させると、ハルヒは息を詰めてから、吐息を熱く漏らした。 「んっ……んぅ、……すご……なんか、すっごい変な感じ……ん……もっと強く……っ」 吸われるたびに、彼女の身体がびくびくと震え、脚が布団の中でもぞもぞと動く。 その様子が妙に色っぽくて、理性が削がれていく。 彼女の脚が俺の脚に絡まり、胸元を差し出すように背中を反らす。 「……こんな、吸われて……わたし……どんどん変になっちゃう……っ……ねぇ、ちゃんと見てて……あたし、こんなに感じてるの……」 彼女の手が俺の肩を掴み、ぎゅうっとしがみついてきた。 甘い吐息は絶え間なく耳元に注ぎ込まれ、心臓の鼓動が重なり合うように早くなる。 布団の中の湿度が高まり、ふたりの肌の熱気で、世界が小さな温室のように感じられた。 「ふぁっ……あっ、やだ……そんな吸い方……っ……だめ、だめなのに……こんな、気持ちよくなっちゃう……っ」 ハルヒの声が涙まじりに揺れて、それが愛しさと欲情を同時にかき立てる。 吐息はどんどん甘くなり、熱はふたりを包み込むように高まっていった。 唇と舌が胸元を離れず、彼女はそのたびに目を閉じ、身をよじる。 「もう……離れないで……お願い……もっと甘やかして……っ」 この夜は、まだ終わらない――そう、確信した。