Gallery
お題シリーズ📚 お題シリーズ

その遺跡は、“空を見たまま”石となっていた。

By: AI情 - Ecstasy
Petsa ng Pag-publish: 2026/5/11 09:22

冒険とは、時に── 人が触れてはならないものへ、足を踏み入れることでもある。 それは、鬱蒼とした森の奥に眠る遺跡だった。 外から見れば、ただ古いだけの石造建築。 崩れかけた壁面には深い緑の苔が貼りつき、 蔦がまるで血管のように這い回っている。 陽の差し込む時間が極端に短いのだろう。 空気は湿りきっていて、 肺へ吸い込むたび、見えない胞子が喉の奥へ沈んでいく気がした。 微かな風が吹くたび、 じっとりとした冷気が肌を撫でる。 まるでこの場所だけ、 森に呑み込まれながら、 ゆっくり腐っているようだ。 けれど──本当に異様だったのは、 内部へ足を踏み入れてからだ。 「ひっ……。」 喉が、勝手に鳴った。 私は思わず息を呑み、 その場に縫い止められたように立ち尽くす。 そこには、 無数の石像が並んでいた。 いや、並んでいた……という表現は違う。 “途中で止まっていた”。 誰もが天を仰ぎ、何かを見ている。 助けを求めるように。 あるいは、理解してはいけない何かを見てしまったように。 口を開いたまま、目を見開いたまま、 恐怖とも捉えられるを顔に刻みつけて。 造りもの…… にしては、あまりにも生々しい。 まるで、 ほんの数秒前まで生きていたものを、 そのまま固めたみたいに。 「ここ……はやく離れた方がいい……。」 自分へ言い聞かせるように、 私は小さく呟いた。 声がやけに小さく聞こえる。 この遺、音を吸っている。 そう思った瞬間、 ぞわり、と背筋を冷たいものが撫でた。 悪寒──という言葉では、 きっと足りない。 本能そのものが、 「振り向くな」と叫んでいた。 何かがいる。 私を見ている。 その気配だけが、 首筋へぬるく貼りついて離れない。 確かめたい衝動が、 喉元まで込み上げる。 けれどその瞬間、 目の前の石像と視線が合った。 ぎょろり、と。 錯覚だったのかもしれない。 それでも私は、確かに見た気がした。 “やめろ”と。 そう警告するような、 絶望に濁った眼差しを。 生唾を飲み込み、 私はじりじりと出口へ向かう。 一歩。 また一歩。 焦るな。 走るな。 何に対して覚えているかもわからないのに、 そんな考えだけが頭の中を巡っていた。 出口まで、あと少し。 その時だった。 「……シュシュ。」 左耳のすぐ近くで、何かが鳴いた。 蛇のような。 けれど、生き物とも断言できない、湿った音。 私は悲鳴すら上げられず、 反射的に駆け出していた。 枝が頬を裂く。 泥が跳ねる。 肺が焼ける。 それでも止まれなかった。 遺跡から、一秒でも遠くへ。 あそこから離れなければ、 きっと“何か”になる。 そんな確信だけが、 足を動かしていた。 ………… やがて私は、大木へ両手をつき、 崩れるように膝を落とした。 荒い呼吸の合間に、何度も咳き込む。 ──生きている。 その事実だけが、 ひどく現実感を持って胸へ沈んだ。 恐る恐る振り返る。 けれどもう、 遺跡の姿は見えなかった。 森の奥深くへ溶け込み、 最初から存在しなかったかのように、 静寂だけが広がっている。 だが、脳裏には焼きついて離れない。 あの石像たちの、苦悶に歪んだ顔。 空を見上げたまま固まった、 絶望の表情。 そして……怪しげな鳴き声のような、音。 (あそこは、一体なんだったのだろう。) 世界には、足を踏み入れた瞬間、 命を奪われる場所が存在するという。 そこに悪意があるかどうかは関係ない。 火に触れれば焼けるように。 深海で呼吸できないように。 ただ、“そういう場所”として、 そこに在るだけなのだ。 あの遺跡も、きっと──。 私は乱れた服を直そうとして、左肩へ触れた。 ……べちゃ。 粘ついた感触が、指へまとわりつく。 心臓が、嫌な音を立てた。 震える手で見る。 そこには、 半透明の粘液がべっとりと付着していた。 まるで。 何かに、触れられていたみたいに。 私は息を呑み、 しばらくその場から動けなかった。 その間に、思い至った。 場所も。 物事も。 人でさえも。 外側だけでは、 決して本当の姿などわからない。 一歩踏み込めば、 そこには想像もしなかった“内側”が広がっている。 けれど、内側へ足を踏み入れたからといって、 必ずしも真実へ辿り着けるわけでもない。 理解する前に、 壊れてしまうことだってある。 あの遺跡も、 きっとそういう場所だったのかもしれない。 私たちは、常に何かに試されている。 理解できないものに惹かれ、 見えない流れへ呑まれながら、 その中で何かを見つけ、 外見を信じ、 無防備に近づいてしまう。 しかし、その果てに命を脅かされても── 気づいた時にはもう、 手遅れなのだ。 その時には既に、 後の祭りなのだから。

Komento (0)

※ コメント機能は、作品を購入、またはメンバーシップに加入して閲覧権を取得した方のみご利用いただけます。

AI情 - Ecstasy
AI情 - Ecstasy
372 Mga Gawa23 Mga Tagasunod
XenoChat

🩷AI情 - Ecstasyとは 女の子との距離感や、視線、仕草。 そこに流れる空気や温度まで感じられるような、 “体験”としてのAIイラストを大切にしています。 R15・R18を中心に投稿していますが、 ただの消費ではなく、 心に残る時間になるよう意識して制作しています。 一部の作品は有料コンテンツとして配信し、 BOOTH / DLsite / FANZA でも展開しています。 キャラクターには名前がついている子もおり、 今後シリーズとして展開予定です🌸 量産ではなく、ひとつひとつ丁寧に、 “その瞬間の感情”を切り取ることを大切にしています✨ ──────────────── 🌈 PromptCom 有料リクエストについては“お知らせ”をご覧ください! https://prompt-com.com/ja/p/68b0aa8d-df93-4f81-b2dc-7419b47de109 ──────────────── 気に入っていただけたら、 いいねやフォローで応援していただけると嬉しいです! 🐪 BOOTH:https://avatar-i.booth.pm/ →クオリティ重視の有料コンテンツを配信しています 🖼️ pictSPACE:https://pictspace.net/aijou_ecstasy →クオリティ重視の有料コンテンツを配信しています ❤️ FANZA:https://www.dmm.co.jp/dc/doujin/-/list/=/article=maker/exclude_ai=0/id=219245/ →総集編などのお得なパックを展開しています 🩵 DLsite:https://www.dlsite.com/aix/circle/profile/=/maker_id/RG01047275.html →総集編などのお得なパックを展開しています 🧡 Pixiv:https://www.pixiv.net/users/105851981 →全年齢・R15・R18のAIイラストを更新中 💭 XenoChat:https://xenochat.app/ja/aijouecstasy?rating=all&ts=1776640487285 →AI情 - Ecstasyのキャラクターとチャットでお話が出来ます 📪 X:https://x.com/AijouEcstasy →日々の活動に関するご報告を更新しています ✏️ note:https://note.com/aijouecstasy →AI情 - Ecstasyのキャラクター「桜庭 澪」の想いを綴る場所です(全年齢対象のみ)

プレミアムプランに加入すると、この広告は非表示になります。

KusaPics
XenoChat

XenoChat

Character chat kung saan umuunlad ang mga kwento. Ang iyong sariling karanasan sa chat.

Subukan ngayon

Bago

同棲いとこのメイドと…学校では地味眼鏡な小6いとこが、家ではロリ巨乳な隠れ不器用メイドでした。

トイレントイレン

闇の王と失われた聖剣

XenoChatXenoChat

居酒屋の看板娘aya

Δ鴨川Δ鴨川

廃ガラス温室の朝・海宮詩織

久我直嗣久我直嗣

クロックタワーのジェニファー

トイレントイレン

メンヘラ少女の対処法

TTUKASA

異世界で初めての喫茶店

タイヘイ

地雷ピンクちゃんと穏やかな日常☆

ラプラス

風になびくマント・崖の上のフィッティングモデル

久我直嗣久我直嗣

洋館レストランのメイド・桜井遥香

久我直嗣久我直嗣

Loading...