【全部乗せ】縛られて咲く身体

アトリエの奥、静謐な空間。 前回の“仕立て”を終えた彼女は、いまや硝子の展示ケースに収められていた。 蔓はさらにその構造を複雑にし、革のスーツの艶やかさに、緑の意志が這うように絡みつく。 「……ん゛っ、ぁ……ぁふ、ふぐぅ……っ」 そして、固定。腕は頭上へと引かれ、脚は台座に縫いとめられた磔の姿勢。 美術品のように、あるいは信仰の像のように── その身を、誰のためでもなく“完成”されたものとして差し出す。 彼女の表情はすでに、問いや拒絶を持たない。 花と装飾に包まれた体内を、熱がじんわりと満たしていく。 蔓の締め付けは、拒絶ではなく合図。 そこに込められた“支配”の印が、彼女の中の何かをじわりと呼び覚ましていく。 「……ふぁ、っん……ぅぐ……も、ぅ……」 抗わない。ただ感じる。 美に飾られることの、逃れようのない悦びを。 花を整えていたはずの彼女が、 いまや、誰かの手で整えられた“標本”として──永遠に、展示されている。

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