発毛検査

とある日、とある女子校。 この学校では、生徒たちの健やかな成長の記録を目的に、月に一度「発毛検査」が実施されている。 校舎の廊下や教室、階段の踊り場――どこで声をかけられるかわからない緊張感が、抜き打ち検査の日の空気を満たしていた。 この日だけはパンツの着用が禁止され、スカートだけで過ごす決まり。 検査官に呼び止められれば、拒むことなく指示に従い、そっとスカートの裾を持ち上げる。 生えたかどうかにかかわらず、肌をさらすその行為に彼女たちは一様に恥じらいを隠せない。 頬を染め、視線を逸らしながらも、息を呑む静けさが検査の場を包んでいる。 検査官は無言で手元のチェックシートに視線を落とし、発毛の状態を慎重に観察したあと、淡々と記録を書き込んでいく。 ペン先が紙を滑る音だけが、静かな空間に小さく響いている。

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