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路地裏
路地の奥は、一段とひんやりとした空気に満ちていた。 湿った土と古い木の匂い、どこかで水の滴る音。角を曲がったその先に、俺はそれを見た。 ――そこには、一人の女性が佇んでいた。 一糸まとわぬ姿で、まるでそれがこの場所の正しい装いであるかのように、彼女は自然体でそこにいた。 ほどよく肉付いた白い肌、豊かに張り出した胸と腰の曲線。その柔らかな輪郭は、夕闇の入り口で淡い光を吸い込んでいる。視線を落とせば、あわい茂みが隠すでもなくさらけ出されており、俺は心臓を素手で掴まれたような衝撃に立ち尽くした。 「す、すみません!」 反射的に目をそらし、後ずさる。指先まで強張るのが自分でもわかる。 そんな俺の狼狽を見て、彼女は小さく目を丸くし、すぐに花がほころぶような笑みを浮かべた。 「びっくりさせてしまいましたか? ……もしかして、この辺の方じゃないですよね?」 幼さの残る顔立ちに、不釣り合いなほど熟れた肢体。そのアンバランスさが、俺の判断力をじわじわと削っていく。 「あ、ええ……出張で、来てて……」 「やっぱり」 彼女は小さく頷き、逃げようとする俺を繋ぎ止めるように、あえてその身体を正面へと向けた。 「遠慮なさらなくて大丈夫ですよ。ここでは、これが普通なんです。だから……見たいなら、ちゃんと見てください」 鈴を転がすような声で、彼女はわずかに足を開いた。グラマーな輪郭のすべてを、日常のありふれた光景として提示する。 「よかったら……お兄さんも、どうですか? せっかくこの街に来られたんですし」 悪戯っぽく微笑む彼女の視線が、俺のシャツの襟元に落ちる。 「冗談じゃない」と叫ぶはずの理性が、甘い空気の中で溶けていく。気づけば指先は、シャツの第一ボタンに触れていた。布越しに伝わる自分の鼓動が、恐ろしいほどに速い。 留め具を外す。その禁忌すら、この街の穏やかな静寂が許容してくれるような気がしていた。

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