【本編】続・支配に濡れる夢の中で

再び、夢は始まっていた。 さらに今回は、輪郭がより濃く、意識より深い場所から立ち上がっていた。 黒く艶やかなそれは、肌の代わりの“第二の皮膚”。 全身を覆うラバースーツは、彼女の輪郭さえも秘匿し、ただ“愛玩”のかたちを与えていた。 耳の上にはイヌのような飾り、頭を押さえるように固定されたボールギャグ。 かちりと音を立て、口元の自由がまたひとつ遠ざかる。 手足は細く拘束され、ただ“待つ者”として整えられていた。 「……っ、ん、んぅ……」 声にはならない吐息。 けれど、羞じらいの熱が胸奥で確かに膨らんでいた。 指先が、沈黙のまま命じる。 頬が染まり、身体が応える――それは夢の中だけの真実。 「……ふ、んっ、……ぅん……」 息が詰まり、喉が震え、思考の奥まで蝕まれてゆく。 触れられるたび、内側から何かがこぼれていき、 無音の世界で、悦びだけが確かな重さを持って染み渡っていく。 羞恥、戸惑い、従順、そして――微かな渇望。 “これは、わたしの奥底の、願い――？” 夢のなか、彼女は自らに問いかけていた。 誰に強いられたわけでもなく、心がじっと、頷く音を立てていた。

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